ワーケーションって何?
【1日目】いざ出発!!
2022年7月1日、蒸し暑い東京の自宅から調布飛行場に向かいました。到着して搭乗手続きを澄ましてしばらく待つと案内があり滑走路へ。
どうやらこのドルニエ機に乗るそうです。席は重さを分散させるために乗客の体重や荷物の重さを計測してから計算し、搭乗直前に決まる規定でした。僕は一番前の席に決まったとのこと。窓がある席だといいな。
無事窓がありました!風があまり強くないので思ったより揺れなくてよかったです。高度が低いので多摩川のいつもデイキャンプしてる府中郷土の森BBQ広場がはっきり見えます。これは楽しいな~!
江の島を上空から堪能中。これもいい景色だなー。晴れてくれてよかった。
あっという間に新島に到着。東京では33度でしたがこちらの気温は28度でかなり過ごしやすいです。東京からわずか30分のフライトでこの海の色が見れるとは…感激ですね。
空港では宿からのお迎えがありました。ありがたいですね。感じのいい好青年で島の話を聞きながら宿へ。部屋に荷物を置き、早速レンタサイクル屋さんで自転車を借りて海岸沿いを散策しました。風が涼しくて最高に気持ちいい。
でた!新島名物巨顔像!しかしこの顔、以前どこかでお見かけしたような…。
こちらの巨石の群像はモヤイ像と呼ばれるもので、材料になるコーガ石は新島の他はイタリアのリパリ島でしか採れない貴重な石材だそう。モヤイは「力を合わせる・助け合い」の意味を持つ新島方言の「もやう」から名付けられたものでモアイとは関係ないらしい。
さきほどの像への既視感は渋谷駅のモヤイ像に似ているからでした。新島の東京都移管100周年を記念して渋谷区に寄贈されたものだそうですよ。新島村産だったんですねこの像。
こちらのパルテノン神殿風の建物は無料の温泉施設。なんと24時間開放されていて何時でも入り放題とのこと。夜になったら来ようと写真だけパチリ。
昼間は誰もいませんでした。お湯加減はちょうどよさそう。こんな温泉が無料とはにわかに信じられないですね。
地中海沿岸の町っぽい風景に出くわしました。この先に何があるのか行ってみよう。
ゲートの向こうは羽伏浦海岸が広がっていました。7月に入ったばかりで人が少なく一人で存分に夏の海を味わえました。波が高いから遊泳よりサーフィン向けの海岸だなと思いました。
今回お世話になったのはHostelNABLAさん。コーガ石で作られたおしゃれなリビングでパソコン作業をしていました。スタッフの方もとても親切で居心地のいいお宿です。
wifiの回線も早くてワーケーション向き。夜はベランダのハンモックに横になって星空を眺めたりしてゆっくり過ごせました。
向かいの風景。座り心地のいいソファでくつろげます。やけにリアルでグロいタコさんとカメさんのぬいぐるみが歓迎してくれています。夏休み期間になると大変にぎわうのだそう。
ハンモックは大好きなのでいつか自宅にも設置したい。翌日朝OAのニュース用イラストを描いていましたが、こんな環境で作画されているとは誰も思わないだろうな。
そんなわけで一日目が終了です。
【2日目】式根島へGO!!
新島生活二日目!今日も快晴で気分がいいです。さてどこに行こうか。朝からモヤイ像が元気です。
ふしぎな顔…。どうなってんだコレ…(口とかマジどうなってんだ)
今日は船に乗ることにしました。さらば新島。スマホを落とさないよう細心の注意を払いながらデッキで海風を楽しんでます。最高に気持ちいい。
式根島到着。早速迎えてくれた猫ちゃんがかわいい。
日本の離島といえば人懐っこい猫ちゃんがいるイメージですよね。全然逃げない。
式根島では柏、大浦、中の浦と三つの海水浴場でシュノーケリングしました。柏は波が凪いでいてまるでプールのよう。刺激は少ないけど初心者や子供のデビューにはちょうどいいかもと思いました。大浦は岩が多くあまり魚がいなくて、中の浦が水質、魚の種類共に最高でした!
途中、サングラスが無いことに気づき、きっと柏海水浴場の砂浜に落としたんだ!と思って戻って調べるみると浜辺の石の上にキレイに折りたたまれて置いてありました。見つけやすいようにしてくれた親切な方、ありがとうございました!誰だか分かりませんが貴方は式根島の海のように綺麗な心の持ち主ですよ!
泳ぎつかれた体を松が下雅湯で癒しました。このロケーションで無料とかちょっと意味が分からない…しかも更衣室とシャワー付き。硫化鉄泉で「内科の湯」と呼ばれるほど効能豊だそうです。
帰りは徒歩で野伏港まで。ダイナミックな岸壁やターコイズブルーの海、橙色に咲くスカシユリの数々など、本当に美しい島でした。
というわけでさらば式根島。急に曇ってきたけど晴れのうちに海を堪能できてよかった。明日は終日曇りの予報。帰って少しパソコン作業やSNSを更新してこの日は終わりました。
【3日目】ふたたび新島探訪!!
午前中は晴れました!よかった。自転車で通りかかったコーガ石で作られたモニュメントがある公園。コーガ石のざらざら感が朽ちた街の雰囲気を出すのにちょうどいいですね。水の音が涼やかです。鳥の声も聞こえてラピュタ的な空気が流れていました。
長栄寺にある流人墓地に来ました。江戸時代から明治初期まで島流しの刑で新島に流されてきた人たちのお墓です。島民墓地から一段低いところに作られていました。流人の中には教育、医療や民俗芸能など島民の文化に貢献した人も多くいたらしく、彼らの霊を慰めるために今も花が供えられているとのこと。
お昼は栄寿司さんの島寿司を頂きました。カンパチやマダイをタレ漬けにしたものにカラシを付けて食べるのですが、これが絶品!間違いなく新島で食べたものの中でトップのおいしさでした。島寿司は伊豆諸島内の郷土料理ですが島ごとに系統の違いがあるらしく、いつか食べ比べもしてみたいなぁ。
新島村博物館にて。村の規模から考えると驚くほど立派な施設でした。原寸大の漁船は大迫力。新島の成り立ちについて詳しく展示されていて、海底火山よって北は黒い玄武岩、南は白い流紋岩で形作られたことが同じ島でも違う風景が楽しめる理由だそうです。確かに南北で断崖や浜辺の色が違いました。二つの海底火山の噴火がつながったのが新島なんですね。
流人情報を見てみると、相馬主計の文字が!土方歳三亡き後、新選組最後の隊長に任命された人物です。坂本龍馬暗殺の疑いで明治3年に新島へと島流しとなったそうで、島では寺子屋を開いて子供たちの教育に努め良き師として慕われていたとのこと。へえ~知らなかったなぁ。
新島への流刑者は政治思想犯が多く、書や絵画、彫刻、造園などに造詣の深い人物も少なくなかったそうで、そろばんを教えたり農耕技術の指導なども行っては文化向上に尽力したのだそう。画も残っていますが確かに匠。今も流人墓地に花が供えられるわけですね。
昨日泳ぎすぎたせいか自転車をこぐのがダルくなったので原付をレンタルして北へ。若郷へと続く平成新島トンネルはまっすぐで走りやすいのですが全長が3km近くもあり走っても走っても出口が見えない凄まじさ。国内の離島トンネルとしては最長だそうです。バイクで走ると冷蔵庫に入ったような寒さ。
十三社神社。門に鈴紐が釣り下がっているのは文化が違って面白い。拝殿の前には恵比寿様と大黒様。絵馬はありませんでした。こういうところで絵馬を読むの好きなんだけどな。他の寺社仏閣にもなかったので新島には絵馬の文化がないのかも。そういえば馬がいないため流鏑馬も立って行われていたらしいです。
新島特産のコーガ石は耐火性、耐熱性、断熱性、防音性に優れていて、比重の低い物は水に浮かぶほど軽く、ノコギリで簡単に切れるほど加工しやすいため建材や彫刻に広く使われていたそうです。この石倉は単にセメントで接着しただけなのによく地震に耐えているな?と思ったら耐震性にも優れているとか。
そんなスゴい素材のコーガ石ですが、リーマンショック以降は不況が続き、採掘業者は一社を残して撤退。また活用される日がくるといいですね。「ビアホールライオン銀座七丁目店」はコーガ建築の代表で天井に張り巡らされたコーガ石の吸音効果からにぎやかな店内でも会話が聞き取りやすいと評判だそう。
かつてのコーガ石の採石場である石山にも足を運びましたが、現在は荒涼たる景色が広がるばかり。けど海側の風景は絶景です。コーガ石を実際に手に持ってみましたがたしかに軽い。今はガラスに加工されてオリーブグリーンが美しい新島ガラスとして新たな特産品となり人気を博しているそうです。
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放送しながら走っている車があったので選挙カーかな?と思ったらパトカーでした。「新島中学二年生です。飲酒運転している人は自分がお酒を飲んでいる自覚があるはずです。ちょっとお迎えにいくだけだから、近くまでなら大丈夫、と思っていませんか?」と子供の朗読。効果的な啓発だなと思いました。
夕日が綺麗…。新島に来るまでの数か月間、あんなに苦しんでいたトゥレット症候群の発作が嘘のように少なくなりました。今年前半はずっと忙しかったからなぁ。こんなふうに夕日をゆっくり見つめる余裕もなかった。こういう時間は人生に必要ですね、やっぱり。
湯の浜露天温泉、めちゃくちゃ気に入って毎日浸かっていました。ライトアップされた神殿風建築がムーディーですし湯加減も最高で、見上げれば満天の星空に波音付き。そして無料!5種類の湯が楽しめて旅の疲れをゆっくり癒せました。
新島の飲食店はキャパが小さく予約していないと入れないことも。初日は温泉帰りに外食しようと思ったらどこも開いていなくて食いっぱぐれてしまいました。夜、スタッフの方にその話をしたら「餃子あまってるんですよ。焼きますよ!」と。なんと親切な!おかげで満腹になりぐっすり眠れたのでした。
【最終日】さらば新島また会う日まで
新島最終日。モーニングはCafe BENIにてホットドックセットにしました。パンがもちもちでソーセージがパリパリで美味。今朝は雨が強めに降っていたけど、小雨に変わっていて飛行機のフライトにも影響ないと聞き一安心です。
池村製菓さんの牛乳煎餅を買いに行ったら店主のおじいさんが「東京オリンピックみた?俺でてたんだ!」と桜のトーチを見せてくれました。「バッハさんから手紙ももらったんだよ!」と嬉しそう。すごいすごいと話を聞いていたら「今日雨だろ?空港まで送ろうか?」と気がよくて親切なおじいさんでした。
新島空港にて。いよいよこの旅もおしまい。今回は「もっとTokyo」という都内観光促進事業を使ってかなりお得に旅行ができました。三泊して宿代なんと3,000円。この割引は都民の方が都内を旅行する場合に限るのですが、離島旅行はかなりリフレッシュするのに良かったのでオススメです。
離陸すると新島の村があっという間にこんなに小さく見えました。短い時間でしたが、北から南までよく走り回ったなぁ。人の親切に触れることの多かったよい旅でした。
房総半島が見えてきたと思ったらあっという間に三浦半島も見えてきました。横須賀のあたりはまだ行ったことがないんだよなぁ。戦艦三笠もいつか見に行きたい。
横浜。ランドマークタワーやベイブリッジが見えます。夜のフライトでは夜景が綺麗だろうな。
そして東京。まもなく調布飛行場に着陸します。霞の向こうに新宿副都心。よく見るとスカイツリーもうっすら見えました。都心のほうからだと決してアクセスが良くない飛行場なんでしょうね。おかげですぐ予約が取れて良い旅に出ることができました。
到着。帰りも着陸時のゆれなど少しもなく、安定したフライトでした。またこれに乗ってどこかへ行きたいな。
朝起きて観光地めぐりをして、シュノーケリングなども楽しみつつ現地の料理に舌鼓を打ち、夜は仕事に打ち込むという生活スタイルはとても良いものだと思います。もし未経験の在宅ワーカーの方がいらっしゃったら一度は試してみるのをオススメします!
この記事がワーケーションの参考になれば幸いです。おしまい。
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